下塗り

下塗りは重要な工程
下塗りとは塗装や彩色などの際に下地を塗ること、または塗ったもののことを指します。イラストなどでは「ベースの色を塗ること」を意味しますが、塗装工事では色を鮮やかにする以上に下地を丈夫にするという役割があり、多彩な技術が確立されています。適切な下塗りが行われると、建物の耐久性や防水性などが向上し、逆に下塗りを省くとすぐに塗装が剝がれたり、水が浸入するようになる場合があります。下塗りはそれだけ重要な工程だと言うことができます。
下塗りの目的
下塗りとは外壁材や屋根材などに最初に塗る塗装のことでもあります。つまり、剥き出しの材料と直接触れる塗料ということです。このため、下塗りには次のような機能が求められます。
  • 多少のひび割れが生じても問題のない強度を持つ塗膜
  • 中塗り、上塗りの密着性をよくする
  • 塗装面を整える
これらの働きから、下塗りという概念には下地処理が含まれることもあります。
下塗り塗料の分類
下塗りに用いられる塗料としては、主に次のようなものがあります。
  1. プライマー
  2. シーラー
  3. フィラー
①と②は呼び名が異なるだけで、役割に大きな違いはありません。塗装面と中塗り・上塗り塗料の密着性をよくするのがその主な役割なので、ここではシーラー(接着する、密封するを意味するsealが語源)に呼び方を統一します。
実は上塗り塗料には密着性がなく、直塗りするとすぐに剝がれてしまうことがあります。先にシーラーを塗ると両面テープのような役割を果たし、上に塗る塗料の密着性を高めてくれます。
また、傷んでいる塗装面は塗料を吸い込む性質があるのですが、シーラーを先に吸収させると吸い込みが止まります。吸い込みが激しい場合はシーラーを2回塗装することもあります。そうすることで中塗り・上塗り塗料は最高の性能を発揮できるようになります。
一方、③は下地に段差や凹凸があったり、モルタルの外壁にヘアークラックがある場合などに表面をならす目的で使われます(filler=埋めるもの、詰め物)。フィラーはシーラーを先に塗ってから施工される場合もあります。ヘアークラックがある場合に最もよく使用されるのは微弾性フィラーと呼ばれるもので、シーラーとフィラーの機能を併せ持っています。フィラーは厚塗りする必要があるため、塗布量が多い砂骨ローラーで施工されるのが一般的となっています。
古いペンキの塗膜が下地の場合
通常の塗装では下塗りが重要になりますが、塗料の種類や下地の状態によっては必要ない場合があります。例えば古い水性ペンキの塗膜が下地の場合、同じ水性のペンキを用いれば、ほこりや油汚れを取り除くだけでペイントすることができます。油性ペンキの上に油性ペンキを塗る場合も同様です。また、油性ペンキであれば水性ペンキの上から塗ることもできます。
油性ペンキは水を弾くため、油性ペンキの上から水性ペンキを塗ることは基本的にできませんが、一定の条件を満たせば、やすりなどで古い塗膜を研磨することで水性ペンキを密着させることも可能です。いずれにせよ、下地処理は必須となります。
一級塗装技能士が集う外壁塗装・屋根塗装専門店
【住宅塗装館|堀岡美装店】栃木県宇都宮市錦2-4-5ポケットオフィス錦Ⅱ E号室
メール お電話での無料相談はこちら 0120-1616-84