ラッカー

プラモデルやDIYでよく使用される塗料
ラッカー(以下、ラッカー塗料)とは、揮発性の高い溶媒にアクリル樹脂やニトロセルロースを溶かした揮発性塗料のことです。ラッカーという名称はラックカイガラムシという昆虫に由来します。ラックカイガラムシからはシェラック(セラック)という樹脂とラックという色素が採れます。これらは現在でもシェラックニスやマニキュア、SPレコード、楽器、家具、チョコレート、ガム、錠剤などに幅広く使われています。
「子供の頃、プラモデルを作っていたときにラッカー塗料を使ったなあ」と思い出される方もいることでしょう。ラッカー塗料は揮発性が高く乾燥が早いため、素人にも扱いやすい塗料となっています。このためプラモデルだけでなく、DIYなどでもよく使用されています。スプレー缶でも購入でき(乾燥が早いため刷毛ではムラが出やすいとされる)、100均ショップでも販売されているなど、身近で手軽な塗料となっています。
ラッカーは顔料を加えることで塗料となりますが、ラッカーは本来透明です(クリアーラッカー)。ちなみに日本の漆もラッカー塗料の一種と言われることがあります。
屋外には向かないラッカー塗料
ラッカー塗料には乾燥が早い他にも、光沢が出るというメリットがあります。光沢を出す場合にはニスなどが使われることがありますが、ラッカー塗料は表面を磨き上げれば単独で光沢を出すことができるため、1度塗りでも高級感のある仕上がりになります(ラッカー塗料専用のワックスなどもあります)。また、乾燥が早く表面が硬化することで耐久性も向上するため、定期的な塗装が必要ありません。
このように利点が多いラッカー塗料ですが、デメリットもあります。まず、塗料の大部分が揮発するため、塗膜が薄くなります。紫外線にも弱いため、耐候性がありません。このため、屋外での使用は推奨されていません(逆に言えば、塗装をやり直すことは容易です)。また、希釈にはシンナーを用いるため、独特の臭いが強く残ります。さらに、硬化した後でもシンナーに溶けてしまうので、取り扱いに注意が必要です。
ラッカー塗料とニス
ニスは着色を目的としたラッカー塗料とは異なり、木材をコーティングするために用いられます。ニスを塗ると表面に樹脂の膜ができ、汚れやシミ、傷などにも強くなります。ただし、ラッカー塗料よりテカリが強くプラスチックのような仕上がりになるため、木材本来の風合いは失われます。また、ラッカー塗料とは異なり、古い塗膜を剥がすには大変な労力がかかります。
多様化するラッカー塗料
本来のラッカー塗料はニトロセルロースラッカーでしたが、現在ではアクリルラッカーや水性ラッカーも登場しています。アクリル樹脂を用いたアクリルラッカーは合成樹脂塗料と呼ぶべきものですが、「溶剤を用いた速乾性塗料」ということでラッカー塗料として販売されています。アクリルラッカーはニトロセルロースラッカーより速乾性が高く、しかも安価なため、外壁塗装やDIYで広く使われています。また、シンナーを使わない水性ラッカー(これも正しくは水性アクリル塗料)も人気があります。水性ラッカーはシンナーで溶ける溶剤系のラッカー塗料とは異なり、一度乾燥すれば水に溶けることはありません。
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