軒天

「軒」の天井部分
軒天(のきてん)とは軒先の天井部分のことで、軒天井、軒裏、軒裏天井とも言います(軒は住宅の屋根のうち、外壁や窓などよりも外側に出っ張っている部分のこと)。軒天は最近では板で塞ぐ施工が多いですが、マンションやアパートでは外壁と軒天が一体になった設計も多く見られます。また、バルコニーやベランダの裏も軒天と呼ばれます。
軒が少ない構造の屋根もあり、片流れ屋根はその代表的な例です。近年はシンプルな仕上げが好まれる傾向があるので、軒の出が小さい、あるいは軒のない住宅も増えています。
軒天の役割
軒天に板などを施工して構造部分を隠すと、見た目がスッキリして住宅がモダンな印象になります。和風建築では化粧垂木を軒天の外側に取り付け、重厚で美しい外観に仕上げることもあります。
外壁の劣化を防止できるのも軒天(軒)のメリットです。軒は傘のように雨や太陽光を防ぐため、外壁の劣化スピードを抑えることができます。軒がないと雨水や日差しが外壁に長時間当たるため、劣化や汚れに注意する必要性が増します。
また、軒天に不燃性の素材を使うと、火事の際に火が屋根裏に廻るのを防いでくれます。火は下から上に広がるので、軒天で火を押し止めることで隣家への延焼防止も期待できます。 さらに、軒天には換気口を設置したり、有孔ボードを使用することもできます。屋根裏には湿気が溜まり、内部結露が起こることがあります。換気口などを設けることで、ある程度結露を予防することが可能です。
軒天の材質
軒天の材質としては、主に次の3種類が挙げられます。
  1. 合板やベニヤ板
  2. ケイカル板などの不燃材
  3. 金属板
合板やベニヤ板はコストパフォーマンスの高い建材です。施工もしやすく、価格を抑えたい場合によく利用されますが、耐久性、耐火性、耐水性はあまり高くないため、現在では新築で使用されることはほとんどありません。
ケイカルは「ケイ酸カルシウム」の略。国土交通省によって認定された不燃素材で、耐熱性や断熱性があるほか、湿気や水に強い、カビが生えにくいといった長所があります。価格もリーズナブルなので、多くの住宅に使われています。他にもスラグ石膏板(エクセルボード)やフレキシブルボードといった不燃材が使用されています。
金属板としては、錆びにくいガルバリウム鋼板やアルミスパンドレルなどが挙げられます。耐火性、耐水性、耐久性に優れた優秀な建材ですが、そのぶん値段が高くなります。
軒天の補修
軒天が経年劣化で汚れたり色褪せたりした場合は、塗り替えで対処します。軒天に染みが出ていたり、カビや藻が生えている場合は、雨漏りが疑われます。木材系の軒天では、経年劣化で板の層が剥がれてくることがあります。劣化が進むと欠落などが起こり、穴が空いてきます。
これらの劣化が生じた場合は、再塗装のほか、不具合の出たところに不燃材などをかぶせる(重ね張り)、軒天材そのものを張り替えるなどの補修が必要になります。
早い段階で外壁塗装と併せて再塗装を行えば、足場代を節約することができます。基本的には張り替えが最も高額な工事になります。雨漏りが疑われる場合は、軒天ではなく屋根やバルコニーなどに原因があることが多いため、深刻化する前に専門家に診てもらうことが重要です。
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