マンセル記号

色を正確に表現するための分類法
世の中にはさまざまな色が溢れており、さらに色の分類法にもいくつか種類があります。マンセル記号(Munsell Symbol)はその1つであり、は色相・明度・彩度の3つの属性で色を表現するものです。マンセル記号は色を正確に表現するためのものであり、イメージする色を誤差のないように伝えるために利用されています。
マンセル記号はマンセル値とも呼ばれ、マンセル表色系(Munsell Color System)において使用されます。1905年にアメリカの美術教育者・画家であったアルバート・マンセルによって考案された色票集に基づいており、1943年にアメリカ光学会が修正を加えました(修正マンセル表色系)。日本でもJIS(旧日本工業規格、現日本産業規格)として採用されています。

色相・明度・彩度

マンセル記号は黒=N1などのように、アルファベットと数値で表されます。マンセル記号を理解するには、まず色相・明度・彩度を理解する必要があります。

色相(Hue:ヒュー)…色合い
色相とは赤、青、黄など、色合いの違いのこと。マンセル記号では赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)の5色を基本とし、さらにそれぞれの中間を黄赤(YR)、黄緑(GY)、青緑(BG)、青紫(PB)、赤紫(RP)とし、合計10の色相に分類します。マンセルはこの10色相をさらに1~10に区分して100色相としました。現在のものは先述した修正マンセル表色系が基本となっています。
明度(Value:バリュー)…明るさ
明度とは明るさの度合のこと。白を10、黒を0とし、中間の色を10等分するのですが、理想的な白は光をすべて反射し、黒は光をすべて吸収してしまうため、物理的に再現できません(2022年に光陽オリエントジャパン株式会社の「世界一黒い塗料」が話題になりましたが、この「真・黒色無双」という塗料は光吸収率99.4%とのこと。塗装されたポルシェを写真で見ると、立体物に見えないくらい真っ黒になっています)。そのため一般的には1を黒、9.5を白として表現しています。先述した黒 = N1は、無彩色(N=Neutral:中性、中立)の最も黒い色(1)という表現になります。
彩度(Chroma:クロマ)…鮮やかさ
色の鮮やかさの違いを示します。無彩色(白・グレー・黒など色味のない色)を0として、数値が増えるほど鮮やかさが増しますが、色相により最高彩度が異なるので、いちばん理解しづらいとも言われています。

有彩色の場合、マンセル記号は以下のように表現されます(数字、アルファベット、数字、「/」、数字)。

「例:5G7/1(ごじーななのいち、と読みます)」
→5G:色相、7:明度、1:彩度
※表示方法は「HV/C(エイチブイシー)」と表記されることがあります(色相・明度・彩度の頭文字)。また、明度はBrightness、彩度はSaturationなどと表記されることもあります。

塗装工事とマンセル記号

マンセル表色系はさまざまなところで使われていますが、外装塗装や屋根塗装などの塗装工事で用いられる色見本帳も、マンセル表色系をベースに作られていることが多いようです。例えば日本塗料工業会(日塗工)の色見本帳は日本における色見本のスタンダードとなっていますが、その色見本には日塗工が定めた色の番号(日塗工番号)だけでなく、日塗工番号の元になったマンセル値(記号)も記載されています。印刷用の色見本ではなく実際に塗料で調色できる色のみ掲載されているのが特徴ですが、マンセル値は理論に基づき多くの色を表せる反面、調色される塗料の色を絶対的に指定できるものではないため、塗装の世界ではもっぱら参考(公称、測定値など)として使われています。

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