希釈

適切な希釈が適切な塗装につながる
希釈とは、溶液の濃度を薄めること。溶液を2倍に薄めようと思ったら、溶液と同じ量の希釈液を加えます(2倍希釈)。希釈液は「溶媒」「希釈材」とも呼ばれます。希釈液によって量が増えた溶液(原液)の濃度は下がる、つまり薄まることになります。
塗料は建築や工業などの重要な要素ですが、効果的な塗装のためには適切な希釈が欠かせません。本項では、塗料の希釈方法とその重要性について見ていきます。

希釈の目的

塗料の場合、希釈液として用いられるのは水やシンナーです。希釈すると濃度が下がりますが、塗料においては原液の粘度を低下させて塗りやすくすることが第一の目的です。粘度を低下させることで得られる効果には次のようなものがあります。

作業性を向上させる
塗料の原液は粘度が高く、そのまま塗ることは困難です。塗装にはハケやローラーなどが用いられますが、粘度が高いと塗料が伸びないためにムラやシワになりやすく、塗料が無駄になることもあります。希釈して適切な粘度にすることで作業の効率が上がり、仕上がりの質も上げることができます。
施工不良を防止する
塗装の施工不良の1つに「ピンホール」があります。ピンホールとは、針を刺したような小さな穴が塗膜に空いてしまう不具合のことで、その原因には下地の調整不足やメーカーの指定する希釈率に従っていなかったことが挙げられます。ピンホールは放置すると劣化の原因となるため、早急な対処が求められます。適切な希釈は施工不良を防止することができます。
気温や湿度に対応する
塗料の希釈率は塗料の性能を最大限に発揮するための重要な要素です。希釈率はメーカーが定めているので基本的にはそれに従えばよいのですが、表示されている希釈率には幅があり、粘度は温度や湿度によって変化します。状況に合わせて希釈率を変えることで、塗りやすさや良好な仕上がりをより確実に実現することができます。
吹き付け塗装を可能にする
塗装方法にはハケやローラーの他に、スプレーガンやホースなどによる吹き付け工法があります。通常の希釈率だとスプレーガンなどが詰まってしまうので、水に近い希釈率まで薄めるのが一般的です。

希釈率を無視するとどうなるか

塗料は希釈率を無視して塗ることもできますが、原液に近いほど塗りにくくなるので、大抵は規定の希釈率より薄めて塗られることになります。すると、塗膜の密着力が低下し、塗料の耐久力がメーカーが想定したものより低くなります。また、遮熱塗料や光触媒塗料といった特殊な塗料では塗り方の難易度が高いこともあり、所定の性能を発揮できなくなることも考えられます。
残念ながら、悪質な塗装業者が塗料代を浮かせるために塗料を薄めて塗装するということが現実に起こっています。しかし、規定の希釈率が守られているかを依頼後に確認することは困難です。適切な希釈率を守ることは、塗料を塗りやすくするだけでなく、最高の塗装結果を得るために不可欠な要素。塗装を依頼する際は、まず業者選びに細心の注意を払いましょう。

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