ケレン

塗料の付着をよくする下地処理
ケレンとは、主に塗り替えの際に鉄部やセメント、コンクリート、モルタルなどの汚れを取り除き、下地に塗料が密着しやすくするために行う一連の作業のことです。
トタンや屋根などを塗装しようとすると、汚れや錆、古い塗料などが付着していて、新しい塗料が付着しづらくなっている場合があります。そのような付着物をヤスリなどで擦って落とすのがケレンという作業です。また、下地調整・下地処理といった工程も、ケレンに含まれることがあります。
ケレン(外連)と言えば、一般的には歌舞伎などの奇抜な演出、あるいははったりやごまかしといった意味です。しかし、建築用語としてのケレンの由来ははっきりしておらず、英語のclean(クリーン)から来ているのでは、と言われています。
ケレンの重要性とは
先にも述べたとおり、塗料と下地を密着させることがケレンの目的であり、場合によってはわざと塗装面を荒らして塗料が付着しやすくします。なぜそこまでするのかと言えば、ケレンを行なっていない下地では塗料が密着せず、すぐに剥がれてしまうことがあるからです。SD(Steal Doors、鋼製のドア)など、下地の材質によっては新築であっても行う場合があります。手間のかかる作業ですが、手を掛けた分だけ仕上がりがきれいになり、耐用年数もアップします。「クリーン(きれいにする)」が元の意味だとすると、ケレンを行わないとすぐに劣化して手抜きが露わになり、その塗装は不良施工だった、つまり「はったり」や「ごまかし」だった、ということになるのは、一般用語のケレンとかけているようで、興味深いものがあります。
ケレンの実際
下地の状態や材質によってケレンの手法は変わります。塗装面はたいてい高圧洗浄機で清掃されますが、水で落ちなかった汚れや古い塗膜、錆などはヤスリやスクレーパーなどを使って落とします。初めて塗装する箇所には、ヤスリなどでわざと細かい傷をつくることがあります(目荒らし)。見た目はあまり変わらなくても、傷ができた分だけ表面積が増え、塗料が食い込みやすくなります。薬品を染み込ませた布などで塗装面を拭き、表面の油分や汚れを落とすこともケレンに含まれます。こちらは防水工事や金属面、樹脂面などを塗装する際に行われます。木部であってもケレンは行われることがあり、特に死膜(塗料が密着しづらくなった旧塗膜)が残っている場合はケレンが重要になります。

ケレンは4種類ある

ケレンはその手法や使用する工具などによって4種類に分類されます。

1種ケレン
防食目的で行われる。橋梁、船舶など大規模なものが対象(一般住宅ではほぼ行われない)
2種ケレン
錆のひどい鉄骨構造物に対して行われる。ディスクサンダーなどを用いて旧塗膜や劣化の激しい鉄部を研磨し、復旧する
3種ケレン
部分的な錆や浮いている塗膜を除去する。電動工具やスクレーパー、ワイヤーブラシなどを使用し手作業で行う。活膜(密着性が十分残っている塗膜)は残す
4種ケレン
ヤスリで汚れなどを落としたり、目荒らしを行う。軽微な錆などが対象であり、4種ケレンには高圧洗浄が含まれることもある

なお、手間、時間、使う薬品が増えるほどかかる費用は高くなります。

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