コーキング

隙間を充填する弾性素材
コーキングとは、施工の際にできる隙間をコーキング材で充填することです。例えば家の外壁材の隙間やサッシまわりなどを見ると、ゴムのような弾性のある素材が充填されていることに気づきます。この素材がコーキング材です。
ただ、現在の日本では、コーキング材は正式にはシーリング材とされています。なぜ今でもコーキングの名称が残っているのかというと、1950年ごろ、最初に輸入されたのが油性コーキングだったのが主な理由です。その後、日本のメーカーも国内生産を始め、後からシーリング材やシーラントも登場するのですが、多くの人の間で「コーキング」の名称が一般化し、今に至るというわけです。
厳密には、コーキングとシーリングはJISで異なる規定がされていたのですが、アメリカの標準規格ASTM C24でもシーリングをコーキングと呼んでもよいとされていたり、シーリングとコーキングを兼ねる製品が多数販売されるようになったことで、現在では「シーリング(コーキング)」などと表記され、同一視されることが多くなっています。この文章では、コーキングに名称を統一して解説します。
コーキング材の種類
コーキング材にはシリコン系、ポリウレタン系、アクリル系、油性コーキング材など、様々なバリエーションがありますが、大別すると次の4つに分けられます。
  1. 湿気硬化型
  2. 乾燥硬化型
  3. 非硬化型(マスティックタイプ)
  4. 混合反応硬化型
①は空気中の水分と反応して硬化するもの、②は水分や溶剤が揮発・乾燥することで硬化するタイプです。③は表面に酸化皮膜を形成するもので、内部は硬化しません。④は主剤と硬化剤を混ぜて使うタイプ。化学反応によって硬化します。
どのコーキング材を使用するかは、用途や使用場所によって変わります。例えば変性シリコン系のものは、外壁や板金、躯体部などに使用されます。後述するシリコン系と違い塗装が可能で、耐候性や塗装性は良好なのですが、常時水に触れる部分には向いていません。しかし、汚染に強いノンブリードタイプのものは耐水性にも優れているので、塗装が必要なサイディングの外壁にもよく用いられています。通常のシリコン系は塗装できないため汚れやすいという弱点はありますが(ただし紫外線に強く埃を吸着しにくい)、耐候性・耐水性・耐熱性すべてに優れているため、キッチンや浴槽まわり、屋根瓦などの補修に使われています。
他にも扱いが簡単なアクリル系(水性)は内装目地、耐油性が高いポリサルファイド系は配管やダクトまわり、非硬化型である油性コーキングは板金ハゼ折り部のシールなど、適材適所で利用されています。
コーキングの打ち替え
コーキングの寿命は外壁コーキングで5~10年ほどと言われています(使用された製品、環境によって異なります)。外壁のコーキングは紫外線や風雨、気温や乾燥・多湿などの影響を受け、少しずつ劣化してきます。雨漏りの原因にもなりますので、劣化したコーキングは取り除いて打ち替える(新しいコーキングを充填する)必要があります。コーキングに切れ(破断)、剥離、肉やせ、ひび割れなどが見られる場合は全打ち替えになることが多くなります。高所作業が発生する場合は足場が必要になるので、足場の費用を考慮する必要があります。
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