アスベスト

アスベストは天然の鉱物繊維
アスベスト(石綿)は天然に産する鉱物繊維で、「せきめん」「いしわた」とも呼ばれます。その歴史は古く、5000年以上前から「火に燃えない布」として利用されてきたと言います(古代エジプトのミイラを包む布など)。
日本では明治20年(1887年)代から輸入が始まり、1950年代から建材等の素材として広まりました。アスベストは加工のしやすい建材であり、吸音・吸着性・絶縁性・引っ張り強度・耐火性・断熱性にも優れています。しかも安価であったことから、軽量被覆材として幅広く使われるようになったのです。
主な使用部位は次のとおりです。
  • 外壁、区画壁
  • トイレや台所の天井・壁・床
  • 部屋や廊下等の天井・壁
  • 玄関や階段の天井
  • 洗面所や台所の床材
  • 学校、体育館、機械室、ボイラー室、工場等の天井・壁
  • その他、屋根、軒、庇、内壁、壁紙、巾木 等々
アスベストによる健康障害
幅広く利用されていたアスベストですが、現在では全面的に使用禁止とされています。1960年の「じん肺法」を皮切りに、段階的に使用が制限されるようになり、2006年にはアスベストの含有量が重量の0.1%を超えるものについて、すべて製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されました(猶予措置も2012年に終了)。かつてはアスベストを扱う労働者だけが障害を負うと考えられていたのですが、工場周辺に住む住人にも被害が出てきたことで、急速に全面禁止の方向に進んだと言います。
アスベストは髪の毛の直径よりも細かい繊維でできています。飛散すると浮遊しやすく、吸い込むと肺胞に沈着しやすい性質があります。その一部は肺に長く滞留し、以下のように様々な健康障害を引き起こすのです。
  • アスベストによる肺がん:石綿健康被害救済制度の給付対象
  • 中皮腫:救済給付の対象
  • 石綿(アスベスト)肺:肺線維症(じん肺)とも呼ばれる。著しい呼吸機能障害を伴う場合は救済給付の対象
  • びまん性胸膜肥厚:著しい呼吸機能霜害を伴う場合は救済給付の対象
  • 良性石綿胸水:胸水の消失とともに治癒する疾患のため、救済給付の対象外
なお、これらの疾病はアスベストを吸い込むとすぐ発症するわけではなく、15~40年程度の長い潜伏期間を経て発症すると言われています。
アスベスト対策は建築物所有者の義務
建築物が2006年9月1日よりも前に着工・建設されている場合、アスベストを含有する建材が使われている可能性があります。アスベスト対策は建築物所有者の義務となっています。
アスベスト含有が疑われる建築物の所有者は、まずは建設業者や工務店、宅建業者に問い合わせ、設計図書で確認する必要があります。ただし、アスベストの使用が記載されていない場合や、改修工事などでアスベストが使用されている場合もあるので、現地調査も必要です。アスベストの調査・除去作業に対応できるのは、アスベストに関するそれぞれの有資格者が在籍する業者のみとなっています。
アスベストのレベルは「アスベスト粉じんの飛散のしやすさ(発じん性)」によって3つに分けられており、レベルによって対処法が異なります。
  • レベル1…発じん性が著しく高い。例:石綿含有吹付け材
  • レベル2…発じん性が高い。例:石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材
  • レベル3…発じん性が比較的低い。例:飛散する可能性が低い石綿含有成形板
なお、アスベストの調査・除去については国が補助制度を設けており、補助金制度がある地方公共団体であれば地方公共団体経由で補助金が支給されるようになっています。 アスベスト除去を行う際は、環境省の資料にはアスベスト関連機関情報、日本建築センターのホームページには専門業者の連絡先等が掲載されているので、参考にすると良いでしょう。
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