雨樋

建物を雨水から守り騒音を減らす
雨樋とは、屋根や屋上、ベランダなどに溜まった雨水を集めて排水させる筒状の建材のことです。
大雨が降った日に雨樋からジャブジャブ水が流れているのを見ると「水を集めないで、流れるに任せればいいのに…」と思う人もいるかもしれませんが、水は建物の大敵です。水が建物に浸入すれば、防水処理されていない部分が腐食する可能性が出てきます。もし躯体や基礎周りが浸水すれば、室内に湿気やジメジメが発生しやすくなるでしょう。住宅の場合は軒先や軒裏から水が浸入して、屋根裏を腐食させることも考えられます。
また、水が浸入しなくても、雨樋がなければ外壁の劣化が激しくなります。何らかの原因で雨樋から雨水がこぼれた場合、落ちた水は地面や下の屋根に当たって弾け、外壁に当たります。これが外壁の劣化を早め、防水機能を低下させるのです。雨樋がなければ、想定以上の雨水が外壁にかかり続けることになり、いずれ雨漏りの原因となります(住宅の基礎部分でも同じことが言えます)。屋根・軒が雨を防ぎ、雨樋から排出するというごく当たり前の機能が住宅を長持ちさせているわけです。 さらに、雨樋がなければ雨による騒音も大きくなります。雨樋がオーバーフローしてカーポートなどの波板や板金屋根に雨水が落下し、その騒音に閉口したことがある方もいらっしゃるかもしれません。雨樋がなければ、そのような騒音が日常となってしまうでしょう。
雨樋の部材・材質
雨樋は複数の部材から成り立っています。一部を紹介します。
軒樋…屋根から直接水を受ける部材。雨樋の主体部
曲がり…雨樋のコーナー部分に使用する部材(切妻造の屋根にはない)
集水器…軒樋を伝ってきた雨水を集める部材。縦樋との接合部にもなる
ジョイント…樋と樋をつなぐ部材
異形ジョイント…集水器と縦樋の直径が異なる場合に使用する部材
止まり…軒樋の両端に付け、水を止める部材
縦樋…集水器から地面につながり、水を落とす雨樋
エルボ…建物の形状に合わせて縦樋を取り付けるためのつなぎ部材
P型集水器…2箇所から引いてきた水を合流させる部材
また、雨樋の材質はプラスチック製が9割を占めると言われています。安価なのが採用される理由ですが、ガルバリウム鋼板などの金属製を採用する住宅もあります。
雨樋のメンテナンス
他の部材と同じく雨樋も経年劣化しますが、傷みが目立ちにくいため、30年近く交換されないケースも多い部材となっています。破損の主な原因は衝撃(飛来物など)と過荷重(大雪など)ですが、破損しなくても砂や落ち葉などが詰まることで雨樋の機能を果たせなくなることがあります。詰まり物はネットや落ち葉止めなどで防ぐこともできますが、万が一トラブルが起こった場合は高所作業となるため、専門業者にメンテナンスを依頼した方がよいでしょう。ただし、足場を使用する作業はどうしても費用が高くなってしまうため、なるべく屋根や外壁のメンテナンスとセットで行うようにした方が効率的です。
一級塗装技能士が集う外壁塗装・屋根塗装専門店
【住宅塗装館|堀岡美装店】栃木県宇都宮市錦2-4-5ポケットオフィス錦Ⅱ E号室
メール お電話での無料相談はこちら 0120-1616-84